国の医療費から日本の医療を考える
私たち日本国民は、国民皆保険制度のもとで一律に医療を受けることができます。
患者さんが医療機関で支払う医療費は基本的に3割であり、残りの7割は税金、つまり国費によって賄われています。
医療を受けるきっかけは、病気と診断され治療が必要とされたときです。
例えば、
高血圧 → 降圧剤
糖尿病 → 血糖降下薬
虫歯 → 削って詰める治療
歯周病 → クリーニング治療
がん → 手術・抗がん剤・放射線治療
このように、医療費の多くは薬によって占められています。
【薬で“治す”のではなく“コントロールする”医療】
多くの患者さんは、薬を処方されるとそのまま長期にわたって薬を飲み続ける生活に入ります。
高血圧のため10年以上降圧剤を服用
Ⅱ型糖尿病で10年以上血糖降下薬を服用
膝関節痛で長期にわたり痛み止めを常用
がんで抗がん剤治療を続けて苦しむ
こうしたケースは珍しくありません。
しかし、問題はこれらの薬が病気を根本的に治すためのものではなく、病状をコントロールするために処方されているという点です。しかも薬には副作用があり、長期投薬では病気より副作用の方が恐ろしい場合すらあるのです。
【高血圧治療の違い ― 欧米との比較】
欧米では、降圧剤を10年以上続けることは稀です。
投薬前には、患者に血圧計を貸し出し、日常生活下で1週間程度の平均血圧を測定します。病院での血圧測定は白衣性高血圧(医療機関で血圧を測定したときのみ高くなる一時的な高血圧)で高く出やすいため、投薬の判断基準にはしません。
薬を使っても定期的に経過を確認し、日常生活での血圧を見ながら少しずつ薬を減らしていくのが一般的です。
(詳しく学びたい方には『高血圧の9割は正常です』(大櫛陽一 著)がおすすめです )
【糖尿病治療の現状】
糖尿病はHbA1c(糖化ヘモグロビンがどのくらいの割合で存在しているかをパーセントで表したもの)の値を基準に診断されますが、診断前に血糖値が高い状態が続いていても生活指導すらされないケースがあります。
診断後も生活習慣の改善指導が行われず、薬だけが処方されることも少なくありません。
【がん治療と予防の重要性】
がん治療は手術・放射線・抗がん剤の三者併用療法が主流ですが、実はがんは予防できる病気であることをご存じでしょうか。
がんは免疫力が低下したときに発症します。誰の体にもがん細胞は存在していますが、免疫細胞がその増殖を抑えているため病気にはなりません。
さらに、胃がん・大腸がん・乳がんなどは、口腔内細菌の異所性感染(歯周病や根尖病巣など)を放置することがきっかけになることも分かっています。
つまり口は万病のもと。
高額な抗がん剤治療で髪が抜け、嘔吐などで苦しむ前に予防医療へ目を向けることが大切です。
(参考書籍:『歯は臓器の一つ 口から始まる全身病』(永野剛三・小峰一雄・小川優 著)👉 歯は臓器の一つ−口から始まる全身病 | 永野剛造, 小峰一雄, 小川 優, 日本自律神経病研究会 |本 | 通販 | Amazon(日本歯科大学新聞でも掲載されました)
【日本の課題とこれから】
世界的には予防医療がスタンダードになっていますが、日本ではいまだに病気になったら病院へ行く医療が中心です。その結果、健康リテラシーランキングでは先進国の中で最下位。つまり、多くの日本人は自分の健康に無頓着だといえます。
国民皆保険制度は素晴らしい仕組みですが、私たちは医療費の一部を負担している医療消費者でもあります。納得できる医療を受けるためには、患者自身が学び、自らの健康を守る意識を持つことが大切です。
ご自身の体を守れるのは、他の誰でもなくあなた自身です。
予防医療の視点を持ち、大切な人と健康的で実りある人生を送れるよう、日々の生活習慣を見直してみてください。
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